DentalAir

株式会社ビーエム東洋

DentalAirとは?

DentalAir
DentalAir用にカスタマイズされたOEM版FlashAir

DentalAirは、治療の重要な基礎データとなる口腔内写真・顔貌(がんぼう)写真の撮影を効率化します。 手元のiPadにインストールされたアプリを使い、撮影した写真のリアルタイムプレビューはもちろん、撮影後に必要となるカメラからストレージへの転送、写真サイズの調整、患者ごとのフォルダ仕分けの工程を一括して自動的に行うことができます。このリアルタイムプレビューを実現するため、撮影用カメラにはFlashAirが採用されています。

FlashAir Developersでは、口腔内写真・顔貌写真撮影フローにDentalAirを全面採用したという出町トラスト歯科・矯正歯科(京都市上京区, 2016年4月1日開院, http://demachi-trust.com/ )を訪問し、株式会社ビーエム東洋代表取締役 中谷正義様、開発を担当したProject MTK代表 前尚佳様、医療法人 創成会 山本歯科医院歯科衛生士 平田由紀様にお話をお聞きしました。

注: DentalAirは、FlashAirではなく、同様の機能を持つOEM版無線LAN SDメモリカードを使っています。わかりやすさのため文中では特に区別していませんが、ご注意ください。



中谷様と前様
右から、ビーエム東洋中谷様とProject MTK前様。

FlashAir Developers(以下、—):システムの概要を教えてください。

株式会社ビーエム東洋 中谷様 (以下、中谷): DentalAirは、口腔内写真・顔貌写真の撮影後の、写真サイズの調整、患者ごとのフォルダ仕分け、ストレージへの保存、の作業をほぼ自動的に行うことができるシステムです。

平田様
DeltalAirの使い方を衛生士の皆さんに指導されている、山本歯科医院の平田様。

医療法人 創成会 山本歯科医院 平田様(以下、平田): 当院では診断や治療の経過を診るために、口腔内写真・顔貌写真というものを撮影します。当院では矯正に力を入れているため、一人当たりの撮影枚数は20枚程にもなります。写真をデジタル一眼カメラで撮影し、それを患者・日付ごとにファイル名の変更とフォルダへの仕分けを行って、医院内ストレージシステムに保存する、という作業が患者様ごとに行われます。

撮影用カメラ
FlashAirを搭載した撮影用カメラと操作用のiPad mini

Project MTK 前様(以下、前): カメラで撮影した写真を、DentalAirアプリを搭載した操作用iPadにリアルタイム転送し、撮影が終わったらアプリ上で「Upload」ボタンの操作により、写真のリサイズとフォルダ仕分け、院内のファイルサーバーへの転送までを一括して行います。iPadへのリアルタイム転送はFlashAirのWebサーバー機能を使っています。写真のリサイズはiPad、仕分けはRaspberry Piで行っています。

: どのくらいの改善がありましたか?

平田: 毎日何十人もの患者様がいらっしゃいますが、従来は仕分けから保存を手作業で行っていたため、毎日30分以上の時間がかかっていましたが、DentalAirでは専用アプリで転送開始ボタンを押すだけです。2秒くらいでしょうか(笑)。 また、手作業で行っていた時は、仕分け時のフォルダ名や、撮影時の写真サイズが、作業者によってブレが生じることがままありましたが、現在はシステムですべて行われるので、あとでデータを活用する場合の不都合もなくなりました。

撮影
本記事のために、衛生士の方にもご協力いただいてかなり本格的な撮影をしてくださいました。
Exportボタン
撮影後は「すべてをExport」ボタンを押すだけ
平田様
「速いし、他の仕事できるし、ええわ(笑)」と笑顔でお話しされる様子から、本システムの活躍ぶりがうかがえました。

: これほどのITシステムを採用する病院は珍しい印象があります。

平田: 当院院長の山本は、先端医療技術とデジタル技術を積極的に採用することで作業効率を上げて、スタッフの時間をもっと患者様に費やしていきたいというポリシーを持っています。デジタル化って素晴らしいですね。

中谷: 山本院長は、矯正歯科の先端医療技術でセミナーを開催されている先生ですから、ITの先端テクノロジーにも積極的に取り組まれていらっしゃいます。

山本様
出町トラスト歯科・矯正歯科 山本敦之院長。ときおり取材の様子を見にきてくださいました。

: 素晴らしいですね。デジタル化への取り組みはDentalAirからですか?

平田: いえ、ビーエム東洋さんと協力しながら様々なワークフロー効率化の試行を行ってきて、DentalAirに至りました。たとえば最初は、CFカードに記録されたデータを手作業でPCに移していました。その後は、別の無線LAN SDカードを使っていました。

: 別の無線LAN SDカードを使っていましたのは2012年頃ですが、製品ラインナップが変わってしまったため、別の製品を探していました。その頃からFlashAirは知っていたのですが、しばらくしてAPIが公開されているということを知ったため、Raspberry Piなどの要素技術がそろったタイミングで開発を始めました。DentalAirの開発自体にかかった期間は半年くらいです。

: 開発で苦労したのはどんなところでしょうか。

: FlashAirに関するところでは、無線LANの安定性です。DentalAirシステムでは、プレビュー用のiPadをFlashAirにつなぐ際、FlashAirをAPモードに設定しています。STAモードを使えばiPadもFlashAirも常時院内LANに接続することができるので利用を検討したのですが、ルータ経由は接続が不安定になりがちなのと、つながっているかどうかがわからないため、最終的には採用しませんでした。

処理用コンピューター
DentalAirの処理用コンピュータ(Raspberry Pi)とファイルサーバー

: システムでまだ改善したいところはありますか?

平田: 不要な写真をカメラ側の操作で削除したいです。

: リアルタイムで転送が行われるため、現在はカメラで後から削除してもすでに転送してしまっているためです。

: リストの差分を見ていれば削除も検知可能ではないでしょうか?

: なるほど、その方法がありますね。検討してみます。

中谷様と前様
お二人には、取材しやすい雰囲気を作ってくださいました。

: FlashAirへの要望はございますか?

: 無線LANの安定性がやはり鍵ですので、OEM専用品でもよいので、組み込み用途向けに外付けアンテナがつけられるとよいのではないでしょうか。

: 今後はDentalAirをどんどん広げていく予定ですか?

中谷: はい、展開を考えていますが秘密です(笑)。

平田: DentalAirは私のメインの勤務先である滋賀県の山本歯科医院( http://souseikai-dc.com/ )でも採用しており、当院は2件目の展開という形になります。私は、使い方の教育担当として、当院で指導を行っていますが、ITの専門家ではない医療スタッフがテクノロジーを理解するのはやはり大変です。問題なく使えているときはよいのですが、イレギュラーな状況になった場合は、対応する知識が必要になります。

中谷: レクチャーなどを検討していきます。

: 本日はありがとうございました。

平田、中谷、前: ありがとうございました。

スタッフ一同
取材後に山本院長(中央)を囲んで写真を撮りました。平田様(院長右隣)と医療スタッフの皆様(中央)、ビーエム東洋中谷様(右端)、Project MTK 前様(左端)。

問い合わせ先: 株式会社ビーエム東洋( info@dentalair.jp)

取材協力: 出町トラスト 歯科・矯正歯科

DentalAir2
出町柳駅から数分の通りに面したわかりやすい場所にあります。最新装置を導入した治療室はとても明るくて気持ちよく受診できそうでした。開院直後の取材だったため、お花があちこちにありました。
(取材 2016年4月、掲載 2016年8月)

参考 FlashAirへ画像などのファイルアップロード、複数のFlashAirを同じ無線LANへ接続したい場合は下記チュートリアルをお試しください。