タイムラプスカメラへの応用

株式会社バイコム様では、 昼夜・天候を問わず6か月もの間撮影できるタイムラプスカメラ MAC200 DN に FlashAir を組み合わせ、 課題であった設置時の位置調整と起動確認を劇的に改善したソリューションを販売しています。

本製品の企画・販売を行っている株式会社バイコム サービス・商品開発部 小林拓司様、高山美香様、 および本製品の開発に関する技術的支援を行った株式会社からくり代表取締役社長の品川秀司様にお話を伺いました。

小林様と高山様と品川様

左から、バイコム小林様とバイコム高山様とからくり品川様。

なお、バイコム様ではWi-Fi SDメモリーカードと呼称していますが、 本記事ではFlashAirという呼び方で統一します。



タイムプラスカメラ

タイムプラスカメラ MAC200 DN

タイムラプスカメラ MAC200 DN とは

FlashAir Developers(以下、—):本日はよろしくお願いします。

株式会社バイコム 小林様(以下、小林。敬称略): よろしくお願いします。

株式会社バイコム 高山様(以下、高山。敬称略): よろしくお願いします。

株式会社からくり 品川様(以下、品川。敬称略): よろしくお願いします。

: (小林様、高山様が丁寧な資料を作ってくださっていました。)わ、すごい資料を用意いただいてありがとうございます。では、さっそく説明をお願いいたします。

小林: はい。タイムラプスカメラとは、一定の時間間隔で写真を撮影するカメラのことで、ゆっくりと変化する被写体を長期間に渡って撮影する目的で主に使用されます。

高山: 株式会社バイコムが販売している「タイムラプスカメラ MAC200 DN Wi-Fiカード8GB付」は、1時間に1枚撮影する設定の場合、満充電の状態から最長で6ヶ月もの長期間に渡り写真を撮り続けることができます。

: 6ヶ月ですか!すごいですね。

高山: はい。前のモデルであるTLC200/TLC200Proでは、3ヶ月程度撮影できます。

セミの羽化

小林: もちろん、屋外設置に対応しており、露出も周囲の明るさに応じて自動的に調整されるため、昼夜・天候を問わず撮影を行えます。
このような特長から、はじめは理科の授業や農業従事者の間で多く使われていました。 たとえば、 シイタケの成長過程も、10分間隔で撮影したものをパラパラ漫画のように再生することで1週間分の様子を20秒程度で観察することができます。

: それは面白いですね。理科の授業にはうってつけですね。

高山: こちらはセミの羽化を撮影した例です。

: おっと、なかなかリアルな映像ですね。一晩中見ているわけにはいかないので、便利ですね。

東京タワー

昼夜・天候を問わず撮影を行うことができる

高山: こちらは東京タワーを昼夜に渡り撮影した例です。

: すごい、明るさがこんなに違うのにどれもきれいに撮れていますね。

小林: そのうち、用途が広がってまいりまして、無人で電源の確保が難しい場所において、研究用あるいは災害監視などの用途にも使用されるようになってきました。記憶に新しいところでは、熊本地震の被害状況の監視などに使われた実績があります。
そのほか、工場内、防犯など、幅広く展開しています。
余談ですが、サスペンスドラマで、鳥を撮影していたタイムラプスカメラに偶然犯人が写っていた、というシーンにTLC200が使われたこともあります。

: おお(笑)。

建設現場

建設現場での設置の様子

カメラ設置時の調整に課題

小林: さらに最近は、ビルなどの建設現場で、施主あるいは社内への報告書での使用例が増えています。タイムラプス写真を使えば遠く離れた地方の現場を本社から監督することもできます。また、公共事業では写真付きの作業報告書を国土交通省に提出することが義務付けられているため、タイムラプス撮影で常時撮影しておけば便利です。

: 家屋やビルができていく様子が見られるのは面白いですね。

小林: しかし、建設現場での利用では、設置時の調整に課題がありました。建設現場での撮影では、時には100m四方にもなる広い撮影範囲をきちんとカメラに収めることが求められます。 そのため、高い場所やせり出した棒の上などに設置することが多くなります。
調整には、 仮設置後仮撮影を行ったのちSDメモリーカードを取り出してPCで状態を確認するという手順を何度か繰り返すことが必要ですが、 このような設置状態ですので、SDメモリーカードを取りはずすのに大変な手間がかかります。 そして、SDメモリーカードを取りはずすためにカメラに触れるたびに、どうしても位置がずれてしまうため、調整にますます時間がかかってしまいます。

SDメモリーカード

SDメモリーカード取り出しの際にカメラに触れるので位置調整に時間がかかることがある

小林: そして、 設置後に本撮影開始を行いますが、きちんとスタートボタンを押して開始できているかの不安があります。 録画開始ランプやプレビュー用液晶画面がついているのですが、 高いところあるカメラを地面から見上げても視認は難しいですし、 省電力のためランプと画面は数分間で消灯してしまうのでその後は確認ができません。 ある現場では、数ヶ月間の写真が全く取れていなかったという事故もありました。

FlashAirで課題を解決

: それは重大な課題ですね。そして、バイコム様ではFlashAirを組み合わせることで、この課題を解決したというわけですね。

小林: はい。弊社の製品では、SDメモリーカードとしてFlashAirを利用し、設置後にWi-Fiで画像を確認したのち、撮影を継続することができます。 撮影範囲が正しいかどうか、撮影が間違いなく開始されているかどうか、の2点を確認しています。

撮影開始

FlashAirを入れて撮影開始ボタンを押す

: からくりさんはどの部分を担当されたのですか。

品川: Wi-Fi機能のマニュアル作成と、技術指導を担当させていただきました。

: 確認は撮影開始時点だけなのですか?

小林: はい、そうです。 弊社の実験では、5分間のWi-Fiプレビューは、120回の撮影に相当する電力を消費します。 撮影中も画像を見たいという要望はあるのですが、タイムラプス撮影期間が短くなってしまうのを避けるため、現状は設置時のプレビューのみとしています。

: 撮影間隔を1時間にした場合は、5日分ですか。それは大きいですね。

品川: しかし、途中で確認できるとさらに便利に扱えると思いますので、弊社でも方法を研究しています。苦労しましたが、実はようやく行けそうな方法を見出しました。内容はまだ企業秘密ですが(笑)。

小林: MAC200 DNやその前のモデルにあたるTLC200/TLC200Proは、台湾のメーカーの製品をバイコムが代理店となって販売している商品なのですが、国内唯一の代理店というわけではありません。そこで、弊社ならではの付加価値をつけるため、FlashAirとの組み合わせを考えました。

FlashAirに接続

FlashAirアプリに接続。撮影開始直後の画像がプレビューできる

: ありがとうございます!(笑)

高山: 使い方は簡単です。このようにFlashAirを入れて撮影開始ボタンを押します。
そして、FlashAirアプリを開き、FlashAirに接続して、ファイルを選択します。

: 東芝公式のFlashAirアプリですか?

小林: はい、そうです。これで十分な機能を備えていますので、特別なものは用意していません。

高山: このように撮影開始直後の画像がプレビューできます。この写真をみて、設置状態を調整したりします。

デモンストレーションの様子

建設現場を想定した歩道橋でのデモンストレーション

高所設置デモンストレーション

高山: 建設現場での利用を想定したデモンストレーションを用意しています。近くの歩道橋まで行きましょう。建設現場の代わりです。

: それは楽しみです!

(近くの歩道橋に移動)

高山: 例えばここが建設現場を見下ろすことができる場所だとします。 従来ですと、設置後にこのように前面にあるランプと液晶画面をのぞき込んで、撮影状態を確認する必要があります。

: これは大変ですね。せり出した板の上に設置した場合など、かなり危険を伴うのではないですか?また、屋外の明るい中では、そもそも液晶画面が良く見えない可能性もありそうです。

小林: はい。しかし、FlashAirを使った弊社の製品ではこうなります。 まず、設置したカメラを見上げる位置から、FlashAirに接続します。

スマートフォンで確認

FlashAirに接続。スマートフォンで確認

小林: そして、先ほどと同じように写真をプレビューするだけです。安全なところから確認できますし、画面も大きいので便利です。

: これはとても便利ですね!結構距離がありますが、接続性は問題ありませんか?

品川: 屋外で見通しがよい場所での利用なので、接続上の問題はあまり問題ありません。

小林様

安全に確認することができる

苦労はFlashAirに出会うまで

(再びオフィスに戻る)

: 最後に、開発で苦労された点をお聞かせください。

小林: FlashAirに出会うまでが一番の苦労でした。 Eyefiも試したのですが、FlashAirは法人サポートがあることも決め手になりました。
もう一つ、Wi-Fi SDメモリーカードを入れると電池の消費がどうしても大きくなり稼働時間が短くなることが問題でした。こちらは、新機種のMAC200DNで電池容量が増えて十分な撮影期間が確保できるようになったことから、商品化にGoが出ました。

品川: 無線LANの自動OFF機能が働くまでの時間を、現場毎に適切な値に変更することでより便利に使えると思います。

: 他にご苦労はありませんでしたか?

小林: なるべく簡単に利用できるように意識しています。 カードは設定済みの状態で出荷しており、接続方法の説明書をつけています。 現場の方がITに詳しいとは限りませんので、使い方をなるべく簡単にすることはとても重要です。
ユーザーがお持ちのPCにWi-Fiが内蔵されていないケースもあります。

: え!では、外付けアダプタですか?最近はあまり見かけなくなりましたよね。確かに、PCがメインの道具ではない仕事であれば、そのような機種を長くお使いの方もいらっしゃるわけですね。ユーザー視点が大切ですね。

理科教材カタログに掲載が決定

小林: 実は、学校の理科教材カタログへの掲載も決まっています。

: それはどのようなものですか?

小林: 小中学校や高校で使われる理科教材向けのカタログというものがあり、2年に1度更新されます。ちょうどこの年度替わりが更新タイミングなのですが、弊社のWi-Fiカード付タイムラプスカメラ製品が、カタログ国内大手3社に一斉に取り扱いいただけることとなりました。(注:取材は3月)

: それはすごいですね。タイムラプスカメラでの撮影は絶対子供にもウケると思います。

小林: 期待しています。(笑)

: 本日は、ありがとうございました。最後に全員で写真をお願いします。


品川様と高山様と小林様

ありがとうございました


問い合わせ先: 株式会社バイコム 商品・サービス開発部


(取材:2017年3月、掲載2017年5月、取材・文責:FlashAir Developers 土居(株式会社フィックスターズ))